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2011年2月17日木曜日

■過去に向き合うことが「これから」をつくる/転載

イラク戦争を真っ先に支持した当時の自公、小泉政権の検証は必ず行う必要があると思っていましたが、ようやくその動きが始まったようです。張本人の米国ではブッシュ元大統領自身が間違った情報で行ったと言ってるとの情報をあるぐらいです。日本での検証を支持します。以下は転載記事です。 池住義憲は私の尊敬する知人で、名古屋高裁でのイラク自衛隊派兵違憲判決を勝ち取った訴訟団の代表です。
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『過去に向き合うことが ”これから”をつくる』
~~イラク戦争支持と自衛隊派兵の「検証」問題~~

              2011年2月17日
                  池住義憲

 2月4日(金)、東京都議会総務委員会が「イラク戦争の第三者検証委員会設置を求める意見書の提出に関する請願」を趣旨採択しました。総務委員会13名中7名の賛成(民主党、共産党、生活者ネット)での択です。来る3月11日都議会本会議で採択される予定です。これが実現すると、地方自治体としては最大議会である都議会の過半数が検証委設置の趣旨に賛成することになります。

 2月11日(金)、市民グループの主催で東京で「イラク戦争検証シンポジウム」が開催されました。日米同盟”深化”が進められている状況下で、「なぜ、何のために」「何を」「どのように」検証する必要があるかが語り合われました。出席者は115名。詳細は録画Ust「http://ustre.am/:QWdd」で見ることができます。最初の30分ほど欠けていますが、約2時間の録画映像です。

 これには、昨年12月に結成された「イラク戦争を支持した政府の判断を検証するための議員連盟」の会長斉藤勁議員も出席され、市民グループ作成の「検証内容主要ポイント」メモを手渡しました。議連は、まず検証委の趣旨・目的設定、位置づけ、構成、付与権限などを検討することが喫緊の課題ですが、検証内容の具体的イメージをより明確にしていただく参考資料として渡したものです。

 今後準備が進むなかで、「戦争支持」「自衛隊派兵」という政治決断プロセスや政策決定プロセスに焦点を限定するか、それに加えてODAを含む「復興支援」内容とその効果等も検証対象内容とするかは、議連および政府での判断によって定まっていくのではないかと思います。3月ころまでに菅首相宛に対して検証委員会設置の要請書を提出する方向で進められていくと思います。

 以下は、解放出版社からの依頼で執筆したイラク戦争支持と自衛隊派兵の検証問題に関する原稿です。今まで送信したものにさらに最新状況を書き加えたもので、2月11日シンポジウムでの発言内容に共通するのもです。

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  過去に向き合うことが 「これから」をつくる
~~イラク戦争支持と自衛隊派兵の「検証」問題~~

                2011年2月14日
                   池住義憲

■なぜ「検証」が必要か
 イラク戦争は、まだ終わっていない。米英によるイラクへの軍事攻撃開始(2003年3月20日)から8年経った今も、続いている。日本はイラク戦争を「支持」し、約5年にわたって自衛隊をイラクに「派兵」し続けた。

 名古屋高裁は、2008年4月17日、イラクにおいて行われている航空自衛隊の空輸活動は「他国による武力の行使と一体化した行動」であって憲法9条1項に違反すると判断した(2008年5月2日確定)。

 裁判所が憲法違反とした行為を、政府はなぜ行なったのか。誰が、いつ、どのような情報に基づいて、誰と協議したのか。どのような理由で、誰が決断・決定したのか。国民(在留・在日外国人を含む)および国会に対して、どのような情報を開示し、説明責任を果したのか否か。今なすべきことは、そうした政府の戦争支持行為と自衛隊イラク派兵行為に至った政治決断プロセス、政策決定プロセスを検証することである。

 なぜ「検証」が必要か。それは、同じ過ちを立法府と行政府に犯させないためである。過去を振返れば、検証なきところ、過ちが繰り返され続けている。

 15年戦争に対する徹底した総括と検証がなされなかった故に、過ちが繰り返されている。朝鮮戦争・ヴェトナム戦争への出撃拠点提供、湾岸戦争への支援・協力、自衛隊の海外派兵(1991年のペルシャ湾へ機雷除去のために海自派兵、1992年カンボジアへの陸自派兵など)、アフガン戦争・イラク戦争の支持と戦地への自衛隊派兵、そして現在は海賊対処法に基づいてソマリア沖アデン湾への陸海空三軍にわたる自衛隊派兵とジプチでの自衛隊基地建設など。

 ジプチでの自衛隊基地建設は、戦後日本にとって初の海外軍事基地となる。ここまで拡大、”深化”してきている。9条があるにも拘わらず、である。

■オランダ、英国の動き
 2003年末から2005年までイラク南部に約1,400人の部隊を派兵したオランダ政府は、2010年1月、独立調査委員会の報告書を発表した。オランダ政府が米英軍によるイラク侵攻を支持した問題を調査・検討した報告書で、550ページにのぼる。2009年2月にバルケネンデ首相の指示を受けて調査を開始し、約10ヵ月間にわたって調査したものである。

 報告書は、2003年3月米英軍のイラク侵攻は、「国際法上の合法性を欠く」とし、イラク侵攻を支持したオランダ政府の決定は正当化できない、と結論づけた。米英両政府がイラク侵攻の法的根拠とした2002年11月の国連安保理決議1441は「個々の国連加盟国に軍事力行使を認めていると合理的に解釈できない」とし、また、1990年代の安保理決議も軍事力行使の「合法性を付与しない」とした。そして、イラク侵攻がイラク体制転覆の意図を隠し持っていたことも国際法の支持を得られるものではなく、オランダ政府はその違法性を認識した、と指摘した。

 報告書はさらに、①オランダ政府は情報源を米英の情報機関に頼っていたこと、②情報開示が不十分で派兵決定が国会で十分に議論されていなかったこと、③当時の外相で後に北大西洋条約機構(NATO)事務総長を務めたデホープスヘフェル氏がわずか45分間の打ち合わせで派兵方針を決め、バルケネンデ首相はほとんど関与しなかったこと、などを指摘・批判している。報告書が指摘したこうした問題は、オランダ議会での審議に資されている。

 英国は、英国部隊の撤収が完了した2009年7月末より、大量破壊兵器をめぐる情報操作やイラク参戦問題を幅広く調査する「イラク調査委員会」(UK Commission、ジョン・チルコット委員長他に歴史 学者2人、外交官1人、公務員1人の計5人)を設置し、公聴会を開いて調査・検証を進めた。政府から独立した調査を行うことを旨とし、調査のプロセスを公開で行い、2011年2月までにブレア前首相やブラウン現首相を含む100名近くの証人喚問を行なった。

 2011年1月には、2001~2007年まで法務長官を務めたゴールドスミス氏の書面による証言も公開した。その書面によると、ゴールドスミス氏はイラク戦争開戦前の2003年1月にブレア首相にイラクへの武力行使を正当化するには国連安保理の追加決議が必要だと助言。しかしブレア首相は、追加の安保理決議は「望ましい」としながらも、場合によっては「必要とせず」として助言を無視し、イラクへの武力攻撃に踏み切った政策決定プロセスが明らかにした。報告書は2011年夏までには公表される予定である。

■一方、日本政府は…
 日本政府は、どうか。小泉・安倍・福田・麻生・鳩山・菅各政権では、「イラク戦争支持」判断と「自衛隊イラク派兵」行為の検証をまだ行っていない。戦争支持と自衛隊イラク派兵に至った政治決定、政策決定プロセスはどうであったのか。憲法・国際法・法律およびシビリアン・コントロール(文民統制)・トランスパランシィ(透明性、情報公開性)・アカウンタビリティ(国民への説明責任)の視点からみてどうだったのか。戦争支持とイラクへの派兵の結果、イラクが今どうなっているかの総括・検証も、ない。

 検証作業の必要性については、2007年5月15日、当時の自公政権がイラク特措法を2年延長する法案を衆院本会議で採択する際につけた附帯決議第4項に書かれている。第4項は、イラク戦争開戦時にあるとされた大量破壊兵器が発見されなかったことを踏まえて日本政府は、「イラク戦争を支持した当時の政府判断について検証を行うと共に、今後十分な情報収集・分析体制の強化に努めること」と明記されている。

 この附帯決議は、当時野党であった民主党が強く主張し、取り入れさせたものである。ゆえに、現民主党中心政権にとって検証作業は、立法府・行政府が国民(在留・在日外国人を含む)に対して行なった約束であり、国民に対して果すべき責任・義務なのである。

 そうした中で、2010年12月、「イラク戦争を支持した政府の判断を検証するための議員連盟」が結成された。民主、社民、共産3党と無所属など国会議員18人で発足した(会長:斉藤勁民主党衆院議員、事務局長:大野元裕民主党参院議員)。議連は近々、菅内閣に対して第三者検証機関の設置を提言する予定である。

 前原誠司外相は2011年2月14日の参院決算委員会で、米英両国などによるイラク戦争について次のように述べた。「日本が協力したことが良かったのかどうなのか、冷静にもう一度、歴史も踏まえて検証しなければいけない」「当事国の米英でさえ、自らの政策が正しかったかどうか見直しを行っている。日本としても、そういったことをしっかりやらなければいけない」。米国の行動を支持した小泉政権の判断の検証が必要との考えを示した。

■過去に向き合うことが「これから」をつくる
 実は日本政府も、過去に一度だけ、検証を行なったことがある。1951年に吉田茂首相が外務省の若手政 策担当者に対し、なぜ日本は軍部の暴走を許して戦争に突き進み敗戦に至ったのかの調査を命じた。しかし、それがまとめられた調書『日本外交の過誤』(外務省極秘文書)が公開されたのは半世紀後の2003年4月であった。

 調書は、満州事変、第二次世界大戦などを日本の外交の失敗と認め、その事態に陥った理由を分析していた。もしこの文書が公開され、国会における様々な審議に資されていれば、日本の進むべき方向と在り方は変わっていたかもしれない。

 私たちは、天災は止められないが、戦争を止めることはできる。戦争は人間が決断・決定によって起きる人為的行為だからだ。検証は糾弾でなく、法による裁きのために必要な事実究明、事実解明作業である。戦争支持・戦争協力に至った政治決断と政策決定プロセスという事実を事実として究明・解明することは、「これから」を創るために欠かすことができない。

以上

【参考文献】
『吉田茂の自問―敗戦、そして報告書「日本外交の過誤」』藤原書店、2003年
『自衛隊イラク派兵差止訴訟全記録』風媒社、2010年
『自衛隊のイラク派兵差止訴訟 判決文を読む』角川書店、2009年


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