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2011年9月16日金曜日

日本語教師をしながら思うこと

久しぶりに日本語教育について思うことを少し書いてみたい。

今、iPadに向かっているところはホーチミン市の郊外の9区のとあるカフェだ。このカフェ、この界隈では唯一WiFiができるので見つけた所だ。カフェにしては変わった建物で、小さなプールがある豪邸の庭をカフェに開放しているような感じだ。
そのカフェが最近のお気に入りの店で毎日通っている。

ベトナム人の男性は朝早くから友人達とカフェに来て駄弁っているが、私はいつも一人だ。
外国人の私には話す相手もいないので仕方がない。
いつもiPad相手にネットしているか物思いにふけっている。

日本語教師の仕事が2ヶ月ほど無いので長い夏休みを過ごしているような状況だ。
前に務めていた大学は辞めた。前の宿で一緒に生活していた学生が卒業するので、それを機会に次の職場を探していた。
辞めないでもいいだろうという思いもあったが、一区切りつけたかった。

ベトナムへ来て最初に日本語教師をしたのはホーチミン市で一番大きい日本語学校だった。
もう4年前になる。初めてのこともありストレスの連続だった。
日本とは全く違う組織運営に驚くばかりだった。その結果ではないが病気にもなった。

2番目の職場はホーチミン市のある国立の大学だった。最初の日本語学校の職員だったベトナム人教師の紹介だった。
ここベトナムでは人の紹介、いわゆる口コミ、コネが主流だ。私の次の仕事も大学だがやはり人のつながりから縁があった。
ベトナムはコネ社会なのだ。

前の大学だが、日本語学科の一期生が今年の卒業生だが約120名の中で卒業試験に受かったのは約35名だ。卒業できるのは三分の一だけなのである。この事実に私は驚愕した。怒りにも近い気持ちを抱いた。学生が可哀想な気が強くした。

その卒業試験にNHKのニュースが聴解試験で出ると聞いて驚くばかりだった。呆れた。学生にはとても難しいだろうと思った。今まで授業でもNHKのニュースを教材で使ったことも無いだろうに、N2もまだ難しい学生には分からないに決まっていると思った。大学側の教育方針が理解できなかった。

そんな試験をしたらできる学生は殆どいないだろうに、責任者のベトナム人の教師の考え方が分からなかった。
聞くところによるとその聴解問題は殆どの学生ができなかったらしい。
学生は各年度で期末試験を受けて不合格なら次の年度もその科目を勉強するようになっている。



そうして、勉強して来た学生の卒業試験を今まで教えたことも無い無理な問題を出してわざわざ卒業できないようにするようなやり方に私は驚愕した。そのやり方は大学側の方針というよりも、担当責任教師の個人的な考えによるものだと私は思った。日頃から試験の評価は厳しくして下さいと言っていた教師だ。

その卒業試験に宿の学生は半分しか受からなかった。案の定である。二人の内で一人しか卒業できない。一人は来年また卒業試験を受けなければならない。この一年、また4年生と一緒に勉強するのかどうか解らない。単位が取れていない科目なら分かるが…。

もう一年留年しても学力は向上しないで低下するのでないかと心配する。それで試験を受けても結果は悪いだろう。
一方で、宿の学生をみていて思うことは、学生は一生懸命に勉強していた。そのことを思うと卒業させてやるのがいいと思う。ここで留年させてもいいことは無い。

N2並のいやそれ以上の難しい内容の卒業試験を行うことの意義が理解できない。試験は時の運という言葉もある。1回の試験で4年間の評価は難しいだろう。


というのが、私の思いだった。もうこの大学とはオサラバというのが率直な思いだった。

卒業試験から2ヶ月が経った最近の情報では、来年からは卒業試験は行わないと大学の発表があったらしい。
これまた驚いた。大学内部でいろいろとあったのだろうと推測する。学生側からも意見や要望もあったのでないか。日本とは違ってベトナムでは大学や教師については、絶対という文化があるように感じる。

大学や先生が行うことにどんなことがあっても批判的な意見を学生は言わない。仕方がないと常に言う。おとなしい日本人でもそこまでは無いだろうにと思うが、大学の権威に逆らうようなことは出てこない。

大学内の組織運営は非常に個人的だ。職員会議も無い。教育内容については担当責任者から時々に注意があったりするが殆どお任せである。自由であると言えば自由だ。だから担当教師の責任は大きいと常に思って来た。教師の個人的な資質に影響することが多いのが現状だ。

日本語学科の教育内容については、担当教師が集まって意見交換することも無い。あるのはボトムダウンだけである。考えようによっては教師にとっては自由な職場だ。

ベトナムの他の大学が全てこのような状況かどうかはもちろん分からない。
次に仕事する予定の大学がどうなっているか楽しみだ。

どちらにしても、私は教室で学生と向き合っているのが一番楽しい。学生の目が輝く一瞬を見るのが好きだ。これからもそれを大事にして行きたい。

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