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2011年10月27日木曜日

TPP交渉参加は本当に必要か/記者の本音:必要ない/転載記事

TPPについては毎日新聞ネット版に下記の意見記事が掲載された。私もこの意見に賛成だ。TPP参加は日本を滅ぼす。
以下転載
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記者の目:TPP交渉参加は本当に必要か=位川一郎(毎日新聞)


◇輸出依存戦略もう見直す時だ
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加問題が大詰めを迎えた。政府は、「アジア太平洋の成長を取り込む」として参加を決めたいようだ。しかし、これ以上海外に依存した成長を目指す戦略は間違っていると私は考える。国民の大多数にとって、TPPのリスクは大きく、メリットはわずかだろう。野田佳彦首相が参加を思いとどまってくれることを願う。

◇農業、医療などリスクが大きい
TPPについて、慎重派は多くのリスク、問題点を挙げている。関税撤廃で打撃を受ける農業のほか、▽「混合診療」の全面解禁や株式会社の参入で公的医療保険が縮小する▽遺伝子組み換え作物の表示、残留農薬などの食品の基準が緩められる▽公共事業の発注ルールや日本郵政の簡易保険への影響--などだ。

農業以外の懸念に対し、政府は「交渉対象になっていない」などと説明するが、楽観的すぎる。9カ国のこれまでの交渉で議論されなかったテーマも、日本が加われば取り上げられる可能性があるだろう。慎重派が指摘する項目の多くは、過去に米国が「年次改革要望書」などで日本に要求したものだからだ。また、理不尽な要求は拒否するといっても、国際交渉で主張がすべて通るはずがない。TPPへの不安は、実体のない「TPPおばけ」(前原誠司民主党政調会長)ではないのだ。

影響を受けるのは日本だけではない。TPP加盟国は、ビジネスの「障壁」を除くために国内規制の緩和を求められる。他国でも、医療や食品安全に関する日本の規制のように国民生活に不可欠なものが、緩和対象に含まれるかもしれない。推進論者は「アジア太平洋のルールづくりに日本がかかわるべきだ」と声をそろえるが、誰のためのルールなのかと問いたい。

そもそも、輸出や海外進出に依存した経済成長はもはや国民を幸福にしないのではないか。輸出主導で景気が回復した03~07年度の間に、企業の経常利益は48%増え、株主への配当金は94%増えた(財務省の法人企業統計)。しかし、同じ期間に労働者の賃金は0・3%下がった(厚生労働省の毎月勤労統計)。輸出企業が、新興国などの安い製品と競争するために人件費をカットしたからだ。

経済連携を広げ輸出と対外投資を増やしても、利益を得るのは輸出企業とその株主だけで、賃金と雇用は増えない構造と言える。松原隆一郎東大教授は、輸出企業が「国内を牽引(けんいん)するのでなく、切り捨てた」と指摘している(農文協「TPPと日本の論点」)。

◇内需を重視し地域自立型に
むしろ、中長期的な政策の方向としては、国内の需要に注目することの方が重要だろう。供給過剰(需要不足)の日本経済だが、環境、自然エネルギー、福祉、食などのように、供給が足りない分野はまだ多い。むやみに海外へ販路を求める前に、国内で必要な製品・サービスが十分に提供され、雇用も確保される経済が望ましい。同時に、税などを通じた所得再配分で格差を是正すれば、中間層の厚みが戻り、個人消費が増え、景気回復の力にもなる。

特に、グローバル化の対極にある「地域」の役割はもっと評価されていい。原発やショッピングセンターに象徴される外部からの大規模投資は、あちこちで地域の自立を損ない、コミュニティーを破壊し、人と人の絆など国内総生産(GDP)の数字に表れない便益が失われた。もう一度、地場の企業や自治体などが主役になって、身近なニーズに応える自立経済を築いてほしい。その際、経済評論家の内橋克人氏が提唱する「FEC自給圏」、つまり、食料(Food)、エネルギー(Energy)、福祉(Care)の自給という考え方が指針になるだろう。

貿易には資源を浪費し地球環境に悪影響を与えるというマイナス面があることも、忘れてはならない。食品の遠距離輸送が大量の化石燃料を消費することを示す「フードマイレージ」という言葉が知られているが、同じ問題はあらゆる物品に存在する。また、消費者は生産地が遠いほど、そこで起きる資源・環境問題を実感しにくい。例えば、日本などに向けた穀物の生産で米国中部の地下水層が細っていることを、日本の消費者はあまり知らない。安く輸入すればそれでハッピーなのか、改めて考えるべきだ。

「鎖国」の勧めを述べているのではない。日本の関税率は一部を除いて低く、海外からの投資も原則自由。経常収支は約17兆円もの黒字(10年)だ。既に国は開かれ、海外からの果実も十分得ている。言いたいのは、もっと自国の足元を見つめようということだ。                    (東京地方部:毎日新聞)


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